映画……クライマーズハイ
汚い男たちがわんさか出てくる。
汗や泥にまみれて………そんな汚さじゃない!
本当に汚い男たちばかり出てくる!
男の嫉妬ほど執拗なものは無い……
偏見、嫉妬、仕打ち、罵声、怒号、セクハラ
それが常に映っている。
日航ジャンボ機墜落を巡って、新聞社で
『熱い夏 男たちは戦い抜いた』
そんなようなキャッチフレーズが付くほど、
“現場”という言葉がよく似合うほど、
常に記者たちが戦い続けていた映画だった。
画面がドラマ的ではなく、目まぐるしく変わる様は『ユナイテッド93』の映画のようだった
人間の汚さや愚直さを表したという点では
『ブラッドダイヤモンド』を思い出した。
(ダイヤの基準【4C】に続く5番目のC……conflict……
…そんなようなキャッチフレーズだった)
記者たちが、
自らのプライドや偏見や方針を通そうと、ぶつかり合いの連続。
飛び交う野次と罵声と怒号は、
もはや私の仕事が『なんて生易しいんだろう』と思わせてしまうほど、
凄まじい勢いで繰り広げられる。
テメェのせいで販売部には苦情の嵐だ!
貴様の母親が、社長の妾(めかけ……愛人、というよりも【飼ってやってる女】というニュアンス。)だか何だか知らねぇが、調子に乗るなよ!
テメェら13年前の浅間山荘事件の手柄をいつまでも引きずってる化石じゃねぇか!
期待持たせやがって……
アンタらは冷房の利いたデスクでふんぞり返ってるだけじゃないか!!!
なんで俺達の記事が使われないんだ!
ある者は錯乱し、
ある者は病に倒れ、
ある者は家族に見捨てられる。
結局最後まで
『あの人はどうなっちゃったの?』と若干疑問を残したままだが、
この夏の至高の作品であることは間違いない!
………そして、やっぱり堺雅人が格好いいと思った