hasihiro25のつぶやき

長野県の、しがない派遣社員。ゲーム、ニュースの感想などつぶやき

『富国論』から見る、ビルメン

仕事について1週間がたちました。
 
20ほどの現場巡回に同行したのと、
今日は某現場で実際にモップがけをしました。
 
 
ただ、まだ研修期間中なので
テキストを読んだり
(直接、業務知識とは関係ありませんが)市販されている業界誌を読んでいます。
 
 
ワックスの性質・界面活性剤の仕組みについて勉強中
(20度の水の表面張力は73ダイン。油に比べて遥かに強い)
 
床材の種類や、酸性とアルカリについても勉強中。
有機溶剤って、酸性でもアルカリでも無いの?
ってか、今さらですがアルカリって何??塩基とも習うが…塩素系???)

アルカリ:洗浄作用
酸性:殺菌作用
 
石の床は、酸性NG
木の床は、アルカリNG
石油由来の床は、有機溶剤NG
 
 
【ISOは、取得しても経営の邪魔?】
(ISOの意義は以前より薄れ、資格取得の費用負担が遥かに大きい。
だから某市役所は既にISOから離脱したと聞いた)
 
 
 
個別の事象について これ以上触れるのはマズいので、
興味を持った記事を書きたいと思います。
 
 
 
<月刊ビルメンテナンス4月号>
発刊500号ということで、様々な方が寄稿していました。
かなり興味をひかれた。
 
 
28p アダム・スミス国富論では、「【分業】が生産性を上げる」とある。
ここから様々な分析が進められている。
 
分業による生産性向上 3要素
1.特定の業務に専念し、技能が増進する
2.作業から作業に移行の手間をカット 時間節約
3.分担し作業を単純化する事で、機械化ができる
 
現代社会は、分業社会である。
そして次の事が言える。
 
分業社会=【専門能力】と【コミュニケーション力】が問われる社会
(もはや、「専門家はコミュニケーション力が無くても構わない」という時代では無くなった)
 
 
 
⇒ビルメンテナンス業界(以下、ビルメン)には、まだコミュニケーション力が足りていない
⇒職人仕事や農業では、分業が進んでいない
 
 
分業=結合労働 である。
古典経済学の時代では、「情報」に対価を払うなど考えられなかった。
しかし今は情報が重要であり、
 
(本文抜粋)
「組織とは情報によって編みあげられる分業システムなのである。
組織人はその情報のエキスパートとなる」
 
 
 
 
 
 
さらに別の方の寄稿
30p 価格破壊について

事業談合で癒着が生じる。
だから正当な入札は良い事だ…と教科書通りに私は信じていた。
しかし入札によって弊害が出てきた。
 
民間会社は、「随意契約」…特に異議が無ければ契約は自動更新する。
官公庁は、入札によって業者が決められる。
しかし入札最低価格など決められていないと、叩き売りのように価格ばかり下がり、
正当な業務ができない価格で契約業者が決まってしまうという現実があるのではないか?!
 
役員の報酬は僅かしか削らないのに、ケチケチと下請けを大幅カットしているのではないか?)
 
 
(本文抜粋)
「公共施設の業務請負は入札(価格)によって業者が選定されます。
景気の低迷に伴い、ダンピング競争によって価格破壊が起こりました。
その結果公共施設の品質低下や、企業の経営重視(コスト削減)により
雇用環境の悪化を招くなど、産業をささえる【働く人たち】が
いちばんの被害者となったわけです」
 
 
 
32p 『チーズはどこへ消えたか』と思うなかれ
何のために清掃するの? という子供たちからの根本的な問いに答えられるか?
10年以上、ビルメン業界の売上高は変わっていない。チーズはどこにも消えてない??
 
 
34p 誇り
ハローワークへ行き、仕方なくビルメンの仕事を選んだ人は多い。
しかしそんな気持ちで『お客様の安心・安全』を作れるか?

(現場では、けっこう親が子供に対し
「ちゃんと勉強しないと、一生ああいう人達のような仕事をするんだよ」という声を聞くそうだ)
 
 
36p 公益
かつて地方産業は、クローズドシステムの方が有利だった。
ゼロサムゲームの市場(誰かが勝てば、誰かが負ける)
 
ゼロサムゲームであるが故に、お互いの行き処だけを温存してきた。
 
 
 
×グローバル化……【地場が地場であるべき正統性の崩壊】
 
×石油高騰……地場に生き場が無く遠洋に活路を求める方法も、封じられた
 
 
 
九州の漁業は、どう生き残ったか?
【確固としたブランディング・マーケティング】
ただ獲ってくるのではなく、
エンドユーザー起点で加工から販売、と一貫した付加価値流通機構を確立した。
 
 
現在のビルメンでも、
公共サービスの民活化】と【環境ビジネスの勃興】という潮流がある。
この2つの大きな潮流の合流域を探らなければならない。
 
 
価格破壊について)チキンレース脱却への着想

(本文抜粋)
「構造的な悪循環を打開するには、既存の労働集約業態から
市場創造型の技術集約業態への転換が求められます」
 
獲る漁業 から 育てる漁業(養殖)へ
 
(本文抜粋)
「代務サービス(労力)を売るのではなく技術(機能)を売る業態への
変革チャンスがあります」
「このビジネススキームは施設のライフサイクルコストをマネジメントする業態へと進化していき、
業界の宿敵でもある顧客とのWinWin関係の成立も期待できます」
 
 
つまり極端に言うと……

「誰でもできる掃除の仕事を代行します」という商売では、
価格下落ばかりつづいて会社の潰しあいになってしまう。
 
「専門業者でしかできない、害虫駆除やCO2削減の提案をします」
という真似のできない商売をしていけば
お互いに利益が得られる、と。
 
 
 
月刊ビルクリーニングでも

・三方善(商売とは、売り手良し・買い手良し・世間良し…が望ましい)
 
次亜塩素酸ナトリウムだとトリハロメタンを発生させてしまう。
注目される次亜塩素酸水。
 
・成功産業の企業は、マネジメントを実行し【標準化】を図っている。
産業の性質を言い訳にせず、作業を【標準化】できるかどうかが
成長するか否かの違いではないか?
 
・病院の清掃。たとえ菌が(まだ)発生していなくても
菌の栄養源であるATP(アデノシン三リン酸)をきちんと計測する事
 
 
といった興味深い記事も多い。
 
業務に直接関係ない事に熱を上げ過ぎてもいけないが、
広い視野で勉強していきたい。