hasihiro25のつぶやき

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緩和ケアの考え方の変化 〜テレビCMからの考察〜

 
私も、大学の頃 福祉関係の講座をかじる程度にしか聞いていない門外漢なため
不適切な指摘があるかもしれません。
あしからず、ご了承ください。
 
 
 
数日前から、藤村俊二さんが
シオノギ(塩野義)製薬のCMに出演するようになった。
 
 
「ガンの痛みは、飲み薬で解消できる」
 
 
1か月近く前の報道ステーションでも取り上げていた気がするが、
「痛み止め=末期医療」という観念が定着している感がある。
 
 
だが最近の「緩和ケア」は、決して末期医療ではないという。
ガンには激しい痛みが伴うそうだ。
その痛みとの闘いだけで、患者は心身ともに疲労困憊状況に追い込まれ、
病と闘う気概を失ってしまうという。
 
また、モルヒネなどで中毒の心配がされているが、
実際には痛み緩和のために用いるのであれば中毒の心配は無いと紹介されている。
 
 
 
「緩和ケア」の目指すところは、少しでも痛みがあればそれを取り除き、
そして病を直すよう向き合っていくところにあるようだ。
 
 
 
シオノギ製薬のCMに見られるように、「緩和ケア」への認知も
新しい広がりを見せている………といったところだろうか。
 
(イメージの持つ力は大きい。
数日前の新聞でも「沢井製薬」のトップインタビューがあったが、
ジェネリック医薬品の普及のために、まずはCMからイメージ訴求を図っているそうだ)
 
 
さて、実は大学の講義で既に「緩和ケア」の新しい方向性を聞いていた私としては、
「飲み薬」よりも、もう一つの新しい可能性が気になっていた。
 
 
 
名前を検索サイトで調べ上げるのに苦労したが、
「デュプロパッチ」というものがある。
(「パッチ」か「バッチ」か、正式名称は確認できず)
 
 
(検索サイトで「○○とは」の<とは検索>で見ても、なかなかHitしなかった)
 
デュプロパッチとは、体に貼るシールタイプの痛み止めだそうだ。
これによって、3日間は痛みを緩和できるという紹介の文もあった。
 
 
「飲む」時代から「貼る」時代へ。
 
薬がどれだけ進化しても、
それを扱う我々人間の態度や知識・認識が伴っていなければ
必ず問題を起こすことになる。
 
 
「医学の見通せる未来は30年。哲学の見通せる未来は1000年」
という趣旨の言葉を新聞で見ることがあった。
 
医学では「ガンになった場合、どう対応すべきか」という問題に向き合う。
技術が進化すれば、ガンは「不治の病」から「治せる病」に変わっていくだろう。
 
でも、ガンを仮に克服しても きっとまた新しい病がやってくる。
死なない人間なんていないのだから。
 
 
 
哲学が考えるのは、個別の病名を挙げるのではなく
「不治の病になった場合、どう対応すべきか」という命題になる。
 
どう残りの人生を生き、どう自分の病と付き合っていくのか……
 
 
この考え方が、医学と哲学の考え方の違いなのだろうと、私は勝手に解釈している。
 
医学と哲学、両方を併せて持っていく必要があるのだ。
その意味で、今回のシオノギ製薬のCMは、
人々に知見を広め 考えさせる機会を与えた素晴らしいCMだと言えるのである。