hasihiro25のつぶやき

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映画……象の背中

(このレビューは、ストーリーの大筋や結末部分の概要についての記述があります)
 
 
 
最近、ラジオドラマやCMなどでも、よく宣伝を聞くようになった『象の背中
ストーリーは概ね予想通りだったけれど、泣かずにはいられませんでした
 
 
冒頭の余命宣告の場面から始まり、
日常風景を見せることで、彼がどんな人間関係を持っているのか描写してくれる。
 
途中、不自然な人物紹介なども入らないため、途中で名前や名字を言われても
『え?誰のこと?』
となるが、人物の名にそれほど重要な意味合いを持たせていないので、すんなり見ることができた。
 
 
妻、息子、娘、愛人……
最期の時が見えたことで、どうやって接したらいいのか
 
お互いの気持ちがすれ違う切ない状況
 
 
 
妻に心配をかけたくない、という男
 
息子には話すのに、自分には打ち明けてくれなかった……という妻
 
 
自分の関わってきた人達に、遺言を渡すため
旧友たちな会う場面
そして、子会社の社長だった男に会う場面
顔も見せずに会いに行かなかった兄に挨拶に行く場面
そして、ホスピスでライターを貸してくれた男
ホスピスに会いに来た兄との話す場面
妻からの手紙
 
 
それらの場面を見ていて思ったのは、
人生を懸命に生きてきた男だからこそ、人生にきちんと向き合えたのだということ。
 
 
 
兄とホスピスで話すとき、初めて『誰にも言えなかった、死への恐怖』……
を口にする。
 
人間って弱いものなんだ……と。
『等身大の自分』などと一般に言われるが、
家族に支えられて逝くその姿を見て、
『俺は、象にはなれない』という言葉の重さと深さを知ることになる。
 
 
自分が死期を宣告されたら、一体何が出来るだろう
そして、胸を張って『自分の人生は、素晴らしいものだった』
『生まれ変わっても、また君に会いたい』
と、自分は言えるだろうか?
 
そして、自分だったら誰に遺言を渡しに行くだろうか?
 
 
私が心を動かされたのは、やはり家族と最後に語らう場面と、兄と語らう場面。
『どうやって死ぬかって事を考えてたら、どう生きるかって事を考えたんだ』という言葉に、
想いが集約されているんじゃないだろうか
見終わってみて、あらためてそう思う。