阿倍首相が辞任
ニュースで聞いた時は驚いた。
「職を賭して」テロ特措法を延長させると訴え、
臨時国会で所信表明演説をしたばかりなのに……
もう、私の感想は
あちこちのコメンテーターが言った事と重複するので
特に目新しいことを言うつもりはない。
ストレスで体が蝕まれている、という健康上の理由も出ていたが、
大臣を新しく選任したばかりで取り組むべき課題が多い中、
なんと酷い身の振り方だろう。
次期総裁として、
世論としての人気は麻生氏が強いようだが、
少数派閥であったり、総理に遺留を促した本人だということもあり、
党内では必ずしも麻生一辺倒ではないようだ。
阿倍総理のときだって、あれだけ小泉の後は彼しかいない、
と持ち上げておいて……
83会は小泉再登板を願って署名しているが、
小泉自身は「グループを作るなら、きちんとした政治理念を掲げなきゃ駄目だよ」と諭して、
出馬は断ったと聞いている。
コメンテーター達の話を聞いていると、
「小泉政治の影の部分によって参議院選が惨敗したのに、それも分からず
闇雲に小泉の再登板を願うのはいかがなものか?」
という論調も出てくる。
格差社会が果たして小泉流構造改革の全責任だと言えるものだろうか……と私は思う。
参議院の歴史的敗退は、<年金問題><政治とカネ>などに対する態度が悪かったから。
そもそも年金の未払いは数十年積み重なってきた問題なのだから、阿倍総理のせいではない。
小泉と阿倍の論理を安直につなげようとするコメンテーターが居ても、あまり意見を聞き入れられないな……。
確かに、83会は安直なところがあると思う。
ただ、「小泉さんは、あの人の美学から言って再登板は無いだろう」という推測も何か違う気がする。
当人の美学如何は分からないが、
独裁政治を避けるためにも、人材の成長を考える意味でも、
同じ人間だけに頼り続けるというのは、決して良いことではないのだ。
税金の無駄遣い問題も多々あるが、
財政を考えれば小泉時代に消費税は上げておくべきだったのかな…と思う。
(後の政権に宿題として残すことなく、片づけておくべきだった)
また、特措法も必ずしも賛成できないし
豚肉やエネルギー問題でアメリカはどんどん意見を言ってくるが、
海外での自衛隊活動をここで止めて国際社会の評価が落ちることは不味いのかな……という
妥協の意味で、私はひとまず特措法は延長した方が良いと思っている。
(既に、今回の阿倍総理辞任でアメリカの印象は極端に悪くなったが…)
いま、衆議院選挙をやっても自民は大敗する。
小泉の郵政解散の時のような、逆境をチャンスに変える力が現政権には無い。
おそらく内閣総辞職という形だろうと思う。
ますます日本の政治が良い形に進展しないことに
深い絶望を覚えたニュースであった。