hasihiro25のつぶやき

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映画…「Sicko」 (ネタばれ有り)

※以下の文章は、映画の内容・詳細に深く触れるものです。
ご注意ください。
 
 
 
 
 
 
マイケル・ムーアの映画を見るのは初めてだった。
華氏911をまだ見たことがなかった。
 
およそ伝えんとする内容は見る前から予測はできていたが、
やはりあらためて映像を見ると、様々なことを考えさせられる。
 
先日も、雑誌の中で
「是非多くの方にこの映画を見てほしい」
「これが日本の医療が行き着く未来の姿ではないか?」
といったコメントも書かれていた。
 
 
医療現場を通じて、政治全体に目を向けざるを得なくなってくる。
思うところをぶつけて、書き綴ってみたい。
 
 
 
 
 
そういえば先日、一度国会議員になったものの逮捕されて、
刑期を終えて出所した男性のインタビューを見た。
その中で、
「刑務所に入るより、刑務所を出るときの方が怖かった。 社会が自分の顔を知っているわけだから…」
「実際に体を動かして介護をする場面に何度も出会った。
 いかに自分が机上の空論を振り回してきたか、痛感させられた」
 
といった趣旨の発言があった。
私がこれから書き綴る文章も、結局は空論なのだろうか?
 
グローカリズム」という言葉があるが、地球規模で考え地域で行動する…
それが結局の落とし所になるだろうか? しかし社会や世相を知って、結局自分に何ができようか?
はたして、自分には 批判の文章を並べる以外に建設的な行動などができるのだろうか?
 
そういう疑問を持ちながらも、映画の概要と それに付随して私の意見を書きたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
映画の始まりは、まず実際に事故や病気にかかったアメリカ人の実態から始まる。
(以下、特に注釈を入れない個所は1ドル=120円として記載する)
 
ひざに切り傷のある男性。 自分の裁縫道具で傷口を縫っている。
医療にかかるお金がないのだという。
 
事故で中指と薬指を切断してしまった男性。
中指の縫合に700万円以上。
薬指の縫合に144万円。 男性は薬指のみ縫合した。
 
その他にも幾つか例があるが、
「保険未加入者5000万人」の話ではなく、「保険加入中の2億5000万人の話」だと
監督のコメントが入る。
 
それもそのはず、
次に出てくるのは<保険に加入していながら不幸になった>という例。
 
医療費が高く、自宅を手放して子供夫婦の家の小さな部屋に住まうことになった話。
保険に入りながらも、「既往症」(ごく一般的な諸々の病気にかかったことがあること)を理由に
保険が下りなかった例。
医療を受けられないために、子供が亡くなった例。
 
70年代のニクソンの会話が暴露され
その後 現在の保険制度ができあがった、という。
 
 
<医者が治療を拒否すればするほど、儲かる仕組み>
 
 
 
 
 
医者にも「拒否率」のノルマが与えられ、一定ノルマ以上なら報酬がもらえる。
医療現場の実情に嫌気がさして辞めた人たちの涙ながらの告白もある。
手術などを「拒否」するため、過去の病歴を荒さがしする。
 
救急車も、事前予約していないと保険が下りない。
保険会社と提携している病院でないと、保険が下りない。
 
そして映画の最後の方でも出てくるが、
非人道的な追い出し方…タクシーに乗せて、貧民街に(あるいは保護施設の近く)弱い患者を捨ててくる。
(貧民街というのは、適切でないかもしれない。LAのダウンタウン
 
911の際、消防士は英雄だと伝えたはずなのに、
当時の消防士が皆肺を痛めたのに対し、「市の職員でないと基金の金を給付できない」といった話も出てくる。
消防士たちは、チャリティーのロックバンドなどで必死に金集めをする。
 
保険会社は、右肩上がりの莫大な利益増。
さすがマイケルムーアだと思ったのは、
実名入りで企業の名前や、どの政治家が医療関係から幾らもらったか全部出してしまうところだ。
 
 
もう一度言うが、
<5000万人が保険に加入できていない>
<加入してしても、医師が拒否することが多数。 手術を拒否するほど儲かる仕組み>

 
 
 
ヒラリークリントンが皆保険制を訴えた際に、
とことん叩かれた。
「皆保険から、社会主義思想が始まるのだ!」と。
社会主義を許すな!」と。
社会主義の病院など、何時間も待たせられる酷いものだ!」と。
 
 
ヒラリー氏の意見は封印させられた。
 
 
 
 
映画の中盤で、他国に話が移る。
アメリカからカナダに旅行に行って、
カナダの友人の内縁の妻を装って医療を受ける話が出るからだ。
 
そして、カナダ・イギリス・フランス・キューバ………他国の例が出てくる。
 
まずカナダは医療費0。
イギリスも、医療費0。 逆に、資金の少ない人には病院から交通費も支給される。
イギリスの場合は、薬が一律6ポンド65 
何錠買おうとも、1度の会計は6ポンド65.  つまり約10ドルくらい(だったか?)
 
ただし、16歳以下と60歳以上は無料。
 
 
 
 
 
カナダのマイケルムーアの友人である夫妻は、
「決して冗談ではなく、たとえ数時間のアメリカ行きだったとしても
 保険に加入しないと行くことができない。 保険がなくて悲惨な目にあった人を知っている」と。
(外国旅行保険?)
 
 
医療費が0の国は、税金まかないとなっている。
アメリカの実情が信じられない! と。
 
「病院にいくらお金がかかる」という監督の質問が、逆に笑いもの扱いされる始末。
5本の指を切断してしまった人の手術も、医療費0.
(アメリカでは、薬指をつけるだけで144万円かかったのに)
 
病院の待ち時間も、1時間もかからない。
出張レスキューみたいな例もあったフランス。
 
(配管工が1時間以内に直してくれる国なら、医者も1時間以内に来てくれたら…
 というのが1948年の最初の発想だったという。 世界大戦が終わって間もない頃から?!)
 
 
 
国によっても違うのだろうが、
「病気を治せば治すほど、儲かる仕組み」
だという。
 
ある医者の給料は月90万円だったか。
月の野菜・肉代で20万円かかるので税金も高いようだが……
 
フランスに渡航したアメリカ人は、
「幸せすぎて不安になる」というくらい、
小企業でも3週間は夏休みがあり 企業の生産性も高いという。
 
 
ある人は、こう言う。
「アメリカでは、人々が政府を恐れている。だから高圧的になる。
 でもフランスでは、政府が人々を恐れている。だから重圧をかけられない」
 
 
 
 
 
 
 
映画の後半で、
「アメリカにも、1か所 優秀な医療現場がある!」と紹介される。
 
テロリストの重要人物が収監されているグアンタナモ
マイケルムーアは、先に紹介されたアメリカの患者たちを連れて、
船でグアンタナモに乗り込んで医療を受けさせようとする………
 
……のは無理だったので、最終的にキューバの医療現場を見ることに。
 
映画を見て泣いている人も多少いた。
それもそうだろう……アメリカの薬代が高く、毎月10万円〜20万円。
家を手放した人も、ここなら証明書も保険会社の事前許可もなく医療費0.
薬代はかかるが、 10万〜20万した薬が、ここでは5円で買える。
 
「(アメリカの医療は、という意味だろうか?) 人を馬鹿にしている。
 たった5円で買えるなら、買いだめして帰りたい」と泣いていた女性が印象的だった。
 
高い医療費を避けるため、20年間も病気を我慢して戦ってきたのだ言う。
キューバでは、高度な医療が受けられる。
 
 
これが医療の現実だと、 訴えて映画が終わる。
 
 
 
 
 
 
<以下、所感かきかけ>
西欧諸国でも、労働時間の長時間化の流れ。サルコジの当選
財源は大丈夫なのか?
日本と諸外国との税金の違い、農業自給率の問題 そういった別分野まで巻き込んで考えないと…
薬に相応の費用を払うことは必要だと思う
昔は諸外国の富は、植民地による搾取もあった。 今の富は、貧困国の前提の上にたってはいないだろうか…
どうやって大企業はバカンスを8〜10週も与えて成り立つのか?自分が店長としては信じられない。